補助金を活用してDXを促進【IT導入補助金】ご利用の流れとスケジュール
IT導入補助金は、中小企業・小規模事業者等の労働生産性の向上を目的として、業務効率化やDX等に向けた ITツール(ソフトウェア、サービス等)の導入を支援する補助金です。
対象となるITツール(ソフトウェア、サービス等)は事前に事務局の審査を受け、補助金HPに公開(登録)されているものとなります。
また、相談対応等のサポート費用やクラウドサービス利用料等も補助対象に含まれます。
補助金申請者(中小企業・小規模事業者等)は、IT導入補助金事務局に登録された「IT導入支援事業者」とパートナーシップを組んで申請することが必要となります。
IT導入支援事業者とは?
IT導入支援事業者とは、ITツールの導入により生産性の向上を目指す中小企業・小規模事業者等と共に事業を実施するパートナーとして、以下のことを行います。
- 中小企業・小規模事業者等に対するITツールの説明
- ITツールの導入、運用方法の相談等のサポート
- 補助金の交付申請や実績報告等の事務局に提出する各種申請・手続きのサポート
新たに登録する場合は事務局登録申請を行い、事務局及び外部審査委員会による審査の結果、採択される必要があります。
IT導入補助金の申請枠ごとの補助額と補助率
IT導入補助金には、通常枠、インボイス枠(インボイス対応類型)、インボイス枠(電子取引類型)、セキュリティ対策推進枠、複数社連携IT導入枠の5つの申請枠があります。申請枠によって、目的や補助金額、補助対象となる経費が異なります。
ここでは、通常枠、インボイス枠(インボイス対応類型)、インボイス枠(電子取引類型)、セキュリティ対策推進枠の4つについて解説します。
※複数社連携IT導入枠については、申請フローや交付決定後の手続きが異なります。
通常枠
IT導入補助金「通常枠」では、自社の課題にあったITツールを導入し、業務効率化・売上アップをサポートします。具体的には、事業のデジタル化を目的としたソフトウェアやシステム導入が補助対象となります。
補助率 | 補助枠 | |
---|---|---|
1/2位内 | 1プロセス以上 | 5万円以上150万円未満 |
4プロセス以上 | 150万円以上450万円以下 |
インボイス枠(インボイス対応類型)
IT導入補助金「インボイス枠(インボイス対応類型)」では、インボイス制度に対応したソフトやハードウェアの導入により、労働生産性の向上、企業間取引のデジタル化を推進します。具体的には、インボイス制度に対応した会計・受発注・決済ソフト、パソコンなどのハードウェアの導入が補助対象となります。
インボイス制度に対応した会計・受発注・決済ソフト
補助率 | 補助枠 |
---|---|
3/4以内、4/5以内※1 | 50万円以下※2 |
2/3以内 | 50万円超〜350万円以下※3 ※4 |
PC・ハードウェア等
補助対象 | 補助率 | 補助枠 |
---|---|---|
PC・タブレット等 | 1/2以内 | 10万円以下 |
レジ・券売機等 | 20万円以下 |
インボイス枠(電子取引類型)
IT導入補助金「インボイス枠(電子取引類型)」では、インボイス制度に対応した受発注システムを、商流単位で導入する企業を支援しています。具体的には、取引関係における発注者がインボイス制度対応のITツール(受発注ソフト)を導入し、当該取引関係における受注者である中小企業・小規模事業者等に対して無償でアカウントを供与して利用させる場合に、費用の一部が補助対象となります。
補助率 | 補助額 | |
---|---|---|
中小企業 小規模事業者等 |
2/3 以内 | (下限なし)~350万円以下 |
その他事業者等 | 1/2 以内 |
セキュリティ対策推進枠
IT導入補助金「セキュリティ対策推進枠」では、サイバー攻撃の増加に伴う潜在的なリスクに対処するため、サイバーインシデントに関する様々なリスク低減策を支援します。具体的には、「サイバーセキュリティお助け隊サービスリスト」に掲載されているサービスのうち、IT導入支援事業者が提供し、かつ事務局に事前登録されたサービスを導入する際、サービス利用料(最大2年分)が補助対象となります。
補助率 | 補助額 |
---|---|
1/2以内 | 5万円以上100万円以下 |
IT導入補助金を申請する流れ
IT導入補助金の申請は、補助金申請者とITツールを提供する支援事業者、それぞれが協力して申請作業を進める必要があります。
補助金申請者 | 支援事業者 |
---|---|
①・事前準備 ・ITツールの選定 |
①・支援事業者登録申請 ・ITツールの登録申請 ・ツールの提案 |
②交付申請 | |
③補助事業の実施 | ③契約・ITツールの納入 |
④事業実績報告 | |
⑤補助金交付手続き | ⑤サポート・アフターフォロー |
⑥事業実施効果報告 |
1)交付申請のための事前準備とは?
- 「gBizIDプライム」アカウントの取得
GビズIDは、1つのID・パスワードで
様々な行政サービスにログインできるサービスです。
個人事業主の方はオンラインで即時発行できますが、法人の方は発行まで2週間程度かかる場合がございます。印鑑証明書等が必要となりますので、早めのご準備をお勧めいたします。
- SECURITY ACTIONの「★ 一つ星」または「★★ 二つ星」の宣言をする
「一つ目の星」「情報セキュリティ5か条」に取組むことを宣言
①OSやソフトウェアは常に最新の状態にしよう!
②ウイルス対策ソフトを導入しよう!
③パスワードを強化しよう!
④共有設定を見直そう!
⑤脅威や攻撃の手口を知ろう
「二つ目の星」
「5分でできる!情報セキュリティ自社診断」で自社の状況を把握したうえで、
「情報セキュリティ基本方針」を定め、外部に公開したことを宣言
- 「みらデジ経営チェック」の実施 (通常枠では必須、インボイス枠とセキュリティ対策推進枠では加点項目リンクつけるか?)
「みらデジ経営チェック」は、経営課題解決に向けた”気づき”を見つけていただくための、
チェック&サポートツールです。経営課題やデジタル化に対する取り組み状況などのチェック結果をもとに、
各種支援施策や、課題解決にむけたデジタル化の取り組みなどをご紹介いたします。
みらデジ経営チェックは無料でご利用いただけます。
まずはあなたの会社の状況をチェックしましょう!
- 交付申請に必要な書類の手配
交付申請に必要な書類の概要
法人の場合
- 履歴事項全部証明書(登録申請日から遡って、3ヶ月以内に発行されたもの)
- 法人税の納税証明書
個人事業主の場合
- 運転免許証または住民票
- 所得税の納税証明書
- 確定申告書
2)ITツール・支援事業者の選定を行う
補助金申請者がIT導入支援事業者、およびITツールを選定し、IT導入支援事業者に見積書取得等依頼します。
導入したいITツールが決まっている場合
対応希望エリアやツール名を入力して、導入したいIT導入支援事業者の選定を行います。
パートナーシップを組むIT導入支援事業者が決まっている場合
すでにIT導入支援事業者が決まっている場合、事業者名を入力してツール検索を行います。
導入したいITツールを取り扱うIT導入支援事業者を見つけたら、直接相談して見積書等を依頼します。
3)IT導入支援事業者と協力して交付申請を行う
- 補助金申請者は、IT導入支援事業者から受けた招待通知に記載のURLから申請マイページ開設を行います。
- 基本情報・財務情報・経営情報の入力、計画数値(セキュリティ対策推進枠のみ)の入力、必要書類の添付、申請類型の選択をします。
- 補助金申請者が入力した情報の確認、IT導入支援事業者担当者が情報・計画数値(通常枠のみ)・導入するITツール情報の入力をします。
- IT導入支援事業者の入力が完了後、申請者は申請マイページにログインし、申請要件の確認、賃金情報の入力、申請内容の確認をします。
IT導入補助金の交付申請は、申請者が1人で行うものではなく、IT導入支援事業者と協力して手続きを行います。「交付申請の手引き」を確認しながら、申請マイページに情報を入力しましょう。
4)採択されたらITツールの導入を開始する
ITツールを導入できるのは、交付申請の審査において採択され、交付決定の通知を受け取った後です。IT導入補助金では、交付決定通知を受け取る前に導入したITツールは補助対象外となります。
ITツールを導入する際は、最初に「契約と発注」からITツールの導入を開始しなければ、補助金を受け取ることができません。
なお、ITツールの導入を開始する時点では、まだIT導入補助金を受け取っていないため、申請者がITツールの導入費用の全額を立て替える必要があります。IT導入補助金を利用してITツールを導入する人は、ITツールを導入する前にITツール導入費用の全額を用意しておく必要があります。
5)ITツール導入の完了後、事業実績報告を行う
事業実績報告では、ITツールの導入が正しく行われたかを事務局に確認されます。詳しい提出書類はIT導入補助金ホームページをご確認ください。
6)事業実績報告、補助金入金
事業実績報告の確定検査を通過後、実際に補助金が入金されます。
7)補助金入金後、事業実施効果報告
IT導入補助金が入金されたあと、最大3年間にかけて事業実施効果報告を行う必要があります。事業実施効果報告とは、ITツール導入後のインボイス制度への対応状況やどれだけ生産性向上に繋がったかを報告するものです。事業実施経過報告の詳細はIT導入補助金ホームページをご確認ください。
申請から入金・報告までのスケジュール
IT導入補助金の利用を検討している人は、IT導入補助金ホームページの「事業スケジュール」を確認しましょう。申請から入金までのスケジュール、各工程の締切、補助金を受け取れる時期などを把握し、計画性をもって申請の準備や事業の実施をすることが大切です。
流れ | 実施スケジュール(目安) |
---|---|
・交付申請の準備(gBizID・SECURITY ACTION・みらデジ) ・ITツールとIT導入支援事業者を探し、相談する ・交付申請の手続き(申請マイページへの情報入力・必要書類の準備) |
1〜2ヶ月程度 |
交付申請 | |
事務局による審査 | |
交付決定 | 申請から約1ヶ月後 |
補助事業の実施 ・ITツールを導入 ・事業実績報告の手続き(ITツール導入の証憑を申請マイページへ入力) |
交付決定から約6ヶ月間 |
事業実績報告 | |
事務局による確定審査 | |
補助金の交付(入金) | 確定審査の承認から約1ヶ月後 |
事業実施効果報告 | 補助事業実施の1年後から3年間、年1回(計3回)報告 |
※上記スケジュールはあくまで目安です。詳細のスケジュールは「事業スケジュール」をご確認ください。
IT導入補助金では、交付申請から補助金が入金されるまでに9ヶ月程度かかる可能性があります。余裕を持った事業計画を立てることを心がけましょう。
メタシフトは「事業の成功」をゴールとした
補助金の申請支援を行っています。
メタシフトは、経営コンサルタント出身の代表が幅広い経験と知見をもとに、採択されるための補助金申請支援ではなく、貴社にとって本当に有効な事業・投資を一緒に考えます。採択されて終わりではなく、採択後や入金確認後の事業化状況報告まで、オンラインを活用して徹底サポートします。